子どもが歯をぶつけてしまった時には?
「遊んでいて歯をぶつけてしまった!」どうしたらいいのか?永久歯への影響は?さまざまな疑問についてお話します。
福岡県飯塚市にあるハート歯科クリニックいまい(予防歯科・矯正歯科・小児歯科・インプラント・ホワイトニング)の歯科医師の今井若奈です。
元気に走ったり、遊具で遊んだり、お子様にとって楽しく大切な時間ですよね。
でもそんな時、転んで歯をぶつけてしまう事も少なくありません。
今回は、乳歯の外傷についてお話ししていきます。
〈乳歯の外傷の傾向〉
①受傷年齢が多いのは?
1歳〜3歳、次いで小学校に上がる前。
まだ歩行が不安定な時期や、行動が活発になり、走り回ったりスポーツをする様になると多くなります。
②性差は?
男児の方が多い傾向があります。
③原因は?
転倒、衝突、転落 の順に多くなります。
④どの歯をぶつけやすい?
上顎の乳中切歯(上の1番前の歯)
〈乳歯の外傷への対応〉
1.破折 ・・・折れた、欠けた!
位置や欠けた大きさによって対応が変わります。
歯がすこし欠けて詰め物で済む場合もあれば、大きく欠けてしまい神経の治療が必要になることもあります。
根っこが折れた場合、そのヒビの位置によっては抜歯が必要になることもあります。
2.歯の周りから血がでる!
軽度の外傷で、わずかに歯の周囲に出血があるがグラグラせず、位置も変わっていない場合は経過をみます。
3.グラグラと動揺がある時は?
少しの動揺であれば、経過をみます。
大きく動揺があったり、歯の位置がズレてしまった場合には、位置を戻して固定をすることがあります。
4.激しく打って歯が抜けてしまった!
可能なかぎり再植(元に戻して固定する)をします。
この再植が成功するには、
・歯の根っこが乾燥していないこと
・歯の根っこが傷ついていないこと
・時間が経っていないこと(30分以内が望ましい)
がとても重要になってきます。
抜けた歯を歯科医院へ持って行く時の注意点
★牛乳または歯の保存液に漬ける(乾燥防止)
→難しい場合にはラップやビニール袋に包む。
★歯の頭を持つ。根っこは触らない。
★砂などが付いていてもゴシゴシせず、流水でかるく流す程度にする。
★できるだけ早く来院する。
5.歯が変色している!
受傷してから2〜3週間後に色が変わる場合もあれば、数ヶ月経ってからの場合もあります。
◯赤黒く変色
歯の神経が死んでしまった可能性が高く、神経の治療をすることがあります。
◯透明感がなくなる、灰色に変色
歯を打った影響で、中の神経が細くなるとこういった変化が見られます。
この場合は経過をみていきます。
〈永久歯への影響〉
すべてのケースではありませんが、乳歯が受けた衝撃が大きかった場合には
・永久歯の白濁やエナメル質の形成不全
・生え変わりの時期
・生えてくる方向の位置
に影響が出ることもあります。
いかがでしたか。
乳歯の外傷には、様々な状態や対応があります。もしも歯を打ってしまった、という時には、レントゲンのお写真でも確認をした方が安心です。
不安なこと、聞きたいこと、いつでもご相談くださいね。