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唇に水膨れができた!それって粘液のう胞かも


  • 小児歯科

唇や舌にぷっくりできものが出来た事ありませんか?痛くないし口内炎とは違う・・・?今日は粘液のう胞の特徴、治療についてお話しします。

福岡県飯塚市にあるハート歯科クリニックいまい(予防歯科 小児歯科 矯正歯科 インプラント ホワイトニング 審美歯科)の歯科医師の仲宗根美由紀です。

「唇がぷくっと腫れて、何度もできる」

「口内炎とはちょっと違いそう、、」

もしかすると、それは粘液のう胞かもしれません。

〈粘液のう胞とは?〉

お口の中には、唾液を分泌するための唾液腺がいくつも存在します。

唾液腺の種類

3大唾液腺・・・耳下腺、顎下腺、舌下腺

小唾液腺・・・口唇腺、舌腺、頬腺、口蓋腺など、口の中の粘膜全体に広がる小さな唾液腺

これら唾液腺の中で、「粘液のう胞」に関係するのは、小唾液腺です。

何らかの原因で、唾液を出すためのパイプが詰まり、そこに唾液が溜まることで、ぷくっと腫れてしまうのです。

大唾液腺に比べて、小唾液腺はパイプが細いため詰まりやすいのです。

つまり「粘液のう胞」=「唾液が溜まって膨れた状態」です。

〈粘液のう胞の原因〉

では、なぜパイプが詰まり、唾液が溜まってしまうのか?

原因としては、外的な刺激でパイプに損傷が起きることが多いです。

例えば・・・

◉唇を咬んでしまった

◉物が当たってしまった などです。

〈症状&好発部位〉

症状

・口内炎と異なり、痛み伴わないことがほとんどです。

・鏡を見てぷくっと腫れているのに気付いたり、小さなお子さまの場合、保護者の方が見つけるケースが多いです。

好発部位

下口唇舌の裏が多いです。

※舌の先にできるものを特に「ブランディン・ヌーン嚢胞」とも呼びます。

〈粘液のう胞の治療〉

①経過観察

粘液のう胞は、自然と小さくなり治癒することがあるため、まずは経過を見ます。

経過観察中の注意点は、刺激を加えない事です。

お子さまの場合だと、代謝も良く、治癒力も高いため、腫れていても36ヵ月で自然に治る事があります。

しかしその反面、小さなお子さまは気にして触ってしまったり、噛んでしまったりして、のう胞がなかなか小さくならない事も多いです。

②切除

◉粘液のう胞がなかなか小さくならない場合

◉同じところに何度も出来る場合

上記の場合には、原因となっている小唾液腺も含めて、粘液のう胞を切除します。

「小唾液腺を取ってしまっても大丈夫なの?」

と思うかもしれませんが、心配ありません。

お口の中には無数の小唾液腺、また唾液分泌のメインとなる3大唾液腺が存在します。

粘液のう胞の原因となっている所のみを切除しても、日常生活で必要な唾液は十分分泌する事ができますので、ご安心ください。

いかがでしたか。

唇や舌の先に、ぷくっとできものが出来ていると感じたら、まずはご相談ください。

もちろん粘液のう胞以外の場合もありますので、自己判断はされず、診察をお受け下さいね。