喫煙が歯周病リスクを高めるワケ
みなさんは喫煙と歯周病に関わりがある事はご存知ですか?実は喫煙をする事で歯周病のリスクを上げてしまいます。
こんにちは!福岡県飯塚市鯰田にあるハート歯科クリニックいまい(予防歯科・矯正歯科・審美歯科・小児歯科・口腔外科・インプラント・マイオブレス小児矯正・ホワイトニング・インビザライン矯正)の歯科医師、今井光です。
喫煙者は口臭、ヤニによる汚れだけではなく歯周病にかかりやすく進行しやすい、また治療しても治りにくいという事がわかっています。
歯周病とは、歯垢 (プラーク)中の細菌によって、歯肉に炎症が起こり、歯を支えている顎の骨が徐々に溶けてしまいます。進行すると、歯がグラグラと揺れ始め、最悪の場合、歯が抜けてしまう病気です
現在、残念ながら30歳以上の成人の約80%が歯周病にかかり歯を喪失する主な原因となっています。
喫煙がお口の中に与える影響
①血行が悪くなり歯ぐきに酸素や栄養が行き渡らない
煙草の煙に含まれる一酸化炭素が酸素の供給を妨げ歯ぐきなどの歯周組織が酸素不足になります。そのため血管が収縮し血流が悪くなってしまいます。
歯周病の初期症状は歯ぐきの腫れや出血ですが喫煙による血管の収縮により腫れや出血が起こりにくく歯周病が気付かずに進んでしまう事があります。
②唾液分泌の低下
煙草に含まれる成分には唾液の分泌を低下させるため、歯周病の1番の原因である歯垢(プラーク)や歯石を付着させやすくなります。
③免疫力の低下
煙草の成分は細菌と戦う白血球の働きを半分程度にしてしまうため、免疫力を低下させてしまいます。歯周病は歯周病菌による感染症のため免疫力が低下していると歯周病が治りにくく、また菌を繁殖しやすくなってしまいます。非喫煙者と比べても治療後の経過が悪いこともわかっています。
受動喫煙にも注意
他に注意すべき事は受動喫煙です。受動喫煙とはご自身はタバコを吸っていなくても周りの方の喫煙の影響を受けることです。
歯周病においても受動喫煙が影響を与えている事がわかっています。
歯周病だけでなく、、
タバコのお口の中への影響は歯周病だけではありません。
他には口臭や着色(ヤニ)などもあります。
《口臭》
タバコに含まれるタールの中には腐った汚物や糞尿に含まれる成分と同じものがあります。これが歯や歯ぐき、舌に付着し口臭の最大の原因となります。
他にもニコチンや一酸化炭素もドライマウス(口腔乾燥)を引き起こし菌を繁殖させ口臭が強くなります。
《ヤニ》
ヤニはねっとりとしていてタバコを吸う人の内蔵や喉にこびりつき有害物質を出し続けます。喫煙所の壁が黄色く汚れるのはヤニが原因です。このヤニは当然 歯や歯ぐきにも付着します。
タバコのヤニは強力で一度付着してしまうと落とすのが難しいです。
またタバコに含まれる成分によりビタミンCが破壊されメラニン色素がうまく排出出来ずに歯ぐきが黒ずんでしまう事もあり、審美的にも良くありません。
自分や家族の健康のためにも禁煙を
タバコは癌のリスクや循環器疾患のリスクを上げるだけではなく歯周病などお口の中にも悪影響を与えます。またご自身だけではなく受動喫煙によりご家族や周りの方への健康への害もあることを理解していただく必要があります!