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歯の豆知識

高血圧症ですが治療はできますか?


  • おとな向け

高血圧のために薬を服用されている方が多数いらっしゃいます。その中には歯科の治療に恐怖症を抱いている人も多く、診療台に座るだけで、緊張が高まり、血圧がさらに上がるものです。
今日は安心して治療を受けていただく為に、高血圧症についてお話します。

高血圧症とは

心臓により送り出された血液が、動脈の壁に及ぼす圧力を「血圧」といいます。血圧はざまざまな要因によって変動しながらある一定の状態を保ち、臓器への酸素や栄養物質の輸送を調節しています。その調節機能が障害され血圧が上昇すると「高血圧症」低下すると「低血圧症」といいます。

血圧には、心臓が収縮したときの収縮期血圧(最高血圧)と拡張期血圧(最低血圧)があります。

高血圧症には、その90%以上を占める「本態性高血圧症」と、他の疾患が原因で高血圧になる「二次高血圧症」があります。生活習慣病として問題となるのが本態性高血圧で、生活習慣と遺伝的な体質の両方が関係していると言われます。

血圧を上昇させる代表的な原因は

塩分の摂り過ぎ、肥満、運動不足、ストレス、過労、過度のアルコール摂取、寒冷刺激などがあります。

自覚症状は

血圧上昇の初期には、一般的に目立った症状は出てきません。(せいぜい頭痛・めまい・動悸・むくみなどです)

症状が進むと

高い血圧は、血管や心臓に強いストレスを与え、その状態が続くと血管や心臓・脳・腎臓・目(眼底)などの各臓器に障害が現れてきます。

高血圧の診断

診療室血圧は140mmHg/90mmHg以上、家庭血圧135/85以上の場合に高血圧と診断します。

高血圧症の治療

高血圧症の治療は生活習慣病の改善と薬物治療の2つが柱になります。

生活習慣の改善法

・減塩(1日6g未満が推進されている)・体重の適正化・適度な運動(有酸素運動)・節度ある飲酒

高血圧と歯科治療

高血圧症の方が歯科治療を受ける場合に注意となるのが麻酔と抜歯です。麻酔薬の中には血管収縮剤という成分が含まれており、これが原因で血圧が上昇する可能性があります。しかし血圧が薬で安定している場合は心配はいりません。(歯科用局所麻酔を打った直後に一時的に血圧が上昇しますがおさまります)

また、高血圧症の方で収縮期血圧が160mmHgを超えると抜歯のあと出血がなかなか止まらない可能性があります。血圧が高いと出血する圧力も高いため、抜歯のストレスによって血圧が上昇し出血量が多くなります。以上のことから、普段から習慣的に血圧を測定しコントロールしておくことが重要になります。

来院時に血圧が180/110mmHg以上であれば、緊急の歯科処置以外は行わないほうがいいでしょう。160mmHg/100mmHg以下であれば、大きな問題はなく歯科処置が実施可能です。内科の先生と相談し、体調を整えながら治療を受けましょう。

高血圧症の薬(カルシウム拮抗薬)による副作用

高血圧症の薬の副作用のひとつに「歯肉増殖」があります。歯肉が腫れてしまう症状で発現率は10~20%です。歯の汚れの歯垢が誘引になったり、増殖歯肉のポケットが歯垢の住処になってしまい歯周病のリスク原因となることがあります。

歯科処置ではプラークコントロールを行い、内科の先生と服用薬変更の相談になります。