喫煙がお口の健康にあたえる影響って?
健康に悪いイメージがあるたばこ。お口の健康にも実はすごく影響を与えてしまいます。
福岡県飯塚市にあるハート歯科クリニックいまい(予防歯科・矯正歯科・小児歯科・インプラント・ホワイトニング)の歯科医師の仲宗根美由紀です。
タバコが身体の健康に悪影響なことは、色々なテレビや雑誌でも取り上げられていますが、実はお口の健康にも影響があることをご存知でしょうか?
〈喫煙が口腔内に与える影響〉

1.歯周病
喫煙は歯周病のリスクを高めます
たばこを吸わない人と比べて歯周病になるリスクは、
●1日に10本未満では2.8倍
●1日20本では4.7倍
●1日30本以上だと5.9倍にもなります!
また、たばこを吸わない人でも、日常的に受動喫煙する環境に居る場合は、3倍ものリスクがあるとも言われています。
なぜこんなにも歯周病に影響があるのか?
◯タバコの煙には、「一酸化炭素」「ニコチン」といった有害物質が含まれています。
血管を収縮させるため、血液の流れが悪くなり、酸素や栄養が行き渡らなくなり歯茎の抵抗力が落ちて、歯周病が進行します。
また「ニコチン」は免疫機能も低下させるため、病気になりやすくなります。
さらに、傷を治すための細胞(線維芽細胞)の働きまで抑えてしまうので、手術後の治りも悪くなってしまいます。
◯喫煙は唾液の分泌を抑制するため、自浄作用が減ってしまいます。
また、ヤニという形で歯の表面をザラザラにしてしまうため、歯周病の原因となるプラーク(歯垢)や歯石が着きやすくなってしまうのです。

2. 口臭
喫煙者の口腔は、ニコチンやタールの臭いがします。また、歯周病が悪化する方とで口臭は、悪臭となってしまいます。
3. 歯茎の変色
喫煙により、歯にタール(発がん物質)が付着し、ニコチンの影響で毛細血管が収縮し歯肉は暗紫色になります。
粘膜にタールやメラニン色素を呼び、それらを多く沈着させ、歯茎や唇の色は黒ずみます。
4.がん
喫煙者は、口腔や咽頭がんの発生率が非喫煙者の3倍です。咽頭がんでは、なんと32.5倍ともいわれています。
〈子供の歯茎が黒くなる?!〉

タバコの煙は、家族の口腔内にも影響を与えています。北海道の小学校での調査で、喫煙習慣がある親の79%の子供に歯肉の黒い着色を認めたという結果も出ています。
〈禁煙の効果はありますか?〉

今まで習慣だったたばこ。禁煙して、本当に効果があるのかと思ってしまう方もいるかもしれません。
「歯周病のかかりやすさ」はなんと4割も減ります。
手術後の治療経過も禁煙者は非喫煙者とほとんど差が無くなります。
また他の病気でも
肺癌にかかるリスクは喫煙者では非喫煙者の4.5倍に対し、
禁煙することで4年で2.0、5年で1.6、10年で1.4倍と減っていくとの報告もあります。
今一度、身体そしてお口の健康について考えてみませんか?