歯ブラシに雑菌!?
なにげなく毎日使う歯ブラシ。歯ブラシは正しく管理しなければ、雑菌だらけの歯ブラシになってしまうのです!今回は歯ブラシの管理方法についてお話します。
福岡県飯塚市にあるハート歯科クリニックいまい(予防歯科・矯正歯科・小児歯科・インプラント・ホワイトニング)の歯科医師の仲宗根美由紀です。
歯ブラシの歴史は古く、ADA(American Dental Association)によると、約5000年前の古代文明の頃より使用されていたとのことです。初めは小枝を噛んで繊維状にし、それをブラシとして食べもののカスを取り除いてました。500年ほど前からは、骨や木の柄に豚やイノシシの毛などを取り付けたものが使用されていたようです。現在発売されている歯ブラシの多くはナイロン毛が使用されていますが、これは1938年に発売で意外に歴史は浅いのです。
ところで、みなさん、毎日使う歯ブラシはどのように管理していますか?
食事に使う箸・フォーク・スプーンなどは、洗剤を使ってきれいにしてる人が多いでしょう。しかし、同じように口の中に入れて使う歯ブラシは、現在までそれほど衛生面でのスポットを浴びてきませんでした。実は使用後の歯ブラシには箸とは比べ物にならないほどの細菌が付着した状態になっています。
残念ながら家庭で毎日使用する歯ブラシに完璧な無菌管理はありません。そのため対応可能な範囲で細菌の繁殖を防ぐことを考えます。
今回、歯ブラシの正しい管理法を紹介します。
まず1つ目。「付着物は完全に落とす。」
これは使用した歯ブラシには、歯磨き粉、食べかす、プラークなどが大量に付着しています。それらを流水化で強めにブラシを指で動かしてできるだけ取り除きます。すすぎは特にしっかりと行いましょう。
そして2つ目。「とにかく乾燥」
外部からの汚れを防止するキャップやケースにしまい込むよりも、使用後は早く歯ブラシが乾燥することを重視するようにします。立てて保管し、他人とのブラシと接触しないようにする事が大切です。
それから3つ目。「歯ブラシの早めの交換」
歯ブラシの交換時期は早ければ早いほど良い状態を保てます。歯ブラシに食べかすが詰まっていると雑菌が増え十分な洗浄を行っても取れない汚れが溜まってくる傾向にあります。毛先が摩耗したり、広がっていると清掃効果も低下します。やはり定期交換目安としてはできれば1カ月に1本程度交換してみましょう。月替わりで交換していくと管理しやすいですよ。
あと、子供用の歯ブラシは、小さいうちは歯ブラシを噛みながら磨くことも多いため、大人よりも早めに毛先が開いてしまうこともあります。このため交換時期は大人よりも早くなるのが普通です。最近では電動歯ブラシを使用する方も増えてきましたが、電動歯ブラシも普通の歯ブラシと同様で、付着物は完全に落とし、乾燥させ、毛先が消耗したら先端の交換を必ずしましょう。
今回歯ブラシの管理方法についてお話しましたが、再度ご家庭でもご自分の歯ブラシや、ご家族の歯ブラシを見てみてください。毎日使う歯ブラシです。ぜひ清潔な歯ブラシでお口の中を管理していきましょう。