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歯の豆知識

どうしてすぐに虫歯の治療をしてくれないの?


  • 歯周病治療

虫歯を治して欲しくて来院したのに、すぐに治してもらえないと、どうして?となりますよね。
歯周病治療の重要性についてお話ししていきます。

こんにちは!福岡県飯塚市鯰田にあるハート歯科クリニックいまい(予防歯科・矯正歯科・審美歯科・小児歯科・口腔外科・インプラント・マイオブレス小児矯正・ホワイトニング・インビザライン矯正)の歯科医師、重信 圭佑です。

 

歯科医院を訪れ、「虫歯があるので治したい

」と考えて受診したのに、すぐに虫歯の治療をせず、歯周病の治療を優先されることがあります。患者としては、「なぜ早く虫歯を治してくれないのか?」と疑問に思うかもしれません。しかし、歯科医師がまず歯周病の治療を優先するのには、重要な理由があります。今回は、その理由と歯周病治療の重要性について詳しく解説します。

歯周病とは、歯を支える組織(歯茎や歯槽骨)が細菌感染によって炎症を起こし、進行すると歯を支えきれなくなって最終的に抜け落ちてしまう病気です。初期の段階では痛みがなく自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行してしまうことが多いのが特徴です。

歯周病の主な原因は、歯垢(プラーク)や歯石に潜む細菌です。これらが歯と歯茎の間に溜まり、炎症を引き起こします。歯周病が進行すると、歯茎が腫れたり、出血したりし、やがて歯を支える骨(歯槽骨)が溶けていきます。最終的には歯がぐらつき、抜け落ちてしまうこともあります。

2. なぜ虫歯より歯周病治療が優先されるのか?

歯周病があると、虫歯治療がうまくいかない

歯周病が進行している状態で虫歯の治療を行っても、治療効果が十分に発揮されないことがあります。例えば、虫歯を削って詰め物や被せ物(クラウン)をしても、歯を支える歯茎や骨が健康でなければ、治療した歯が長持ちしません。特に、重度の歯周病では歯が動いていることがあり、その状態で詰め物や被せ物をしても安定せず、すぐに不具合が生じる可能性があります。

そもそも歯を残せない可能性がある

歯周病が進行してしまうと、どんなに虫歯を治療しても歯が支えられず、結局抜歯しなければならなくなることがあります。つまり、歯周病を治療せずに虫歯の治療をしても、その歯を長く維持できない場合があるのです。先に歯周病を治療し、歯の土台をしっかり整えてから虫歯治療を行うことで、歯を長持ちさせることができます。

口全体の健康を考える必要がある

歯科治療は、単に悪くなった部分だけを治すのではなく、口全体の健康を維持することが大切です。例えば、家を建てるときに、土台が崩れかけている状態では、いくら立派な家を建ててもすぐに壊れてしまいます。同じように、歯周病が進行している状態で虫歯だけを治療しても、根本的な問題が解決しないため、長期的に見て良い治療とは言えません。

3. 歯周病治療の流れ

歯周病の治療は、基本的に以下のような流れで進みます。

検査と診断

歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)の深さを測ったり、レントゲン撮影を行ったりして、歯周病の進行度を確認します。

プラーク・歯石の除去(スケーリング)

歯垢や歯石を専門の器具を使って除去します。歯石は自分では取り除けないため、歯科医院でのクリーニングが必要です。

生活習慣の改善とセルフケア指導

歯周病の予防と進行を防ぐために、正しい歯磨きの方法を指導されることがあります。また、喫煙や食生活の見直しも重要になります。

深い歯周ポケットの治療(ルートプレーニング・歯周外科)

軽度の歯周病であれば、スケーリングのみで改善しますが、中等度以上の歯周病では歯茎の奥深くに潜む歯石や細菌を取り除く処置(ルートプレーニング)を行うことがあります。場合によっては、歯周外科手術が必要になることもあります。

メンテナンス

歯周病は再発しやすいため、定期的なメンテナンスが不可欠です。治療が完了した後も、定期的に歯科医院でクリーニングを受け、歯周病の再発を防ぐことが大切です。