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歯の豆知識

リテーナー(保定装置)の重要性!矯正後も油断できない理由


  • 中高生の矯正

矯正治療を終え、きれいに並んだ歯並びを鏡で見ると「これで一生安心」と思いたくなる方も多いのではないでしょうか。
しかし実は、矯正治療は装置を外してからが本当のスタートとも言われています。矯正後の歯並びを長持ちさせるためには「リテーナー(保定装置)」の使用が欠かせません。ここでは、リテーナーの役割や大切さについて詳しくご紹介します!

こんにちは!福岡県飯塚市鯰田にあるハート歯科クリニックいまい(予防歯科・矯正歯科・審美歯科・小児歯科・口腔外科・インプラント・マイオブレス小児矯正・ホワイトニング・インビザライン矯正・マイクロ・ダイレクトボンディング)の歯科医師、柴田拓也です。

 

1. なぜリテーナーが必要なのか?

歯は骨の中にしっかりと埋まっているように見えますが、実際には「歯根膜」という薄い組織を介して骨に支えられています。矯正治療では、この歯根膜や周囲の骨をゆっくり動かして新しい位置に歯を並べていきます。

しかし、治療を終えた直後の歯はまだ不安定です。骨や歯ぐき、噛み合わせの筋肉などが完全に新しい状態に適応するまでには時間がかかります。その間にリテーナーを使わず放置してしまうと、歯は元の位置へ戻ろうとする「後戻り」が起こります。

2. 後戻りはなぜ起こるのか?

後戻りにはいくつかの原因があります。

  • 歯の記憶力
    歯や歯根膜は「以前の位置を覚えている」とも言われ、新しい位置に留まろうとする力よりも、元の場所へ戻ろうとする力の方が強い時期があります。
  • 成長や加齢による変化
    顎の骨や顔の筋肉は年齢とともに少しずつ変化します。成長期に矯正を終えた方は、成長による影響を受けやすいですし、大人の方でも加齢によって歯並びは少しずつ動いていきます。
  • 日常の癖や生活習慣
    舌で歯を押す癖、頬杖、食いしばりや歯ぎしりなどは、歯並びに少しずつ力を加えます。矯正直後は特に歯が動きやすいため、これらの癖が後戻りの大きな原因になります。

3. リテーナーの役割

リテーナーは、矯正で整えた歯並びをそのままキープするための装置です。種類は大きく分けて「取り外し式(マウスピース型)」と「固定式(歯の裏側に細いワイヤーを貼るタイプ)」があります。

  • 取り外し式リテーナー
    当院では透明なマウスピース型を使用します。食事や歯磨きの時に外せるため清潔ですが、患者さんご自身の装着時間の管理が大切です。
  • 固定式リテーナー
    前歯の裏側に細いワイヤーを接着するタイプで、見えにくく違和感も少なめです。ただし清掃がやや難しく、定期的な歯科でのチェックが必要です。

この2つは併用して使用することもあります。どちらのタイプにしても、リテーナーは「きれいになった歯並びを守る保険」のような存在なのです。

4. どのくらいの期間リテーナーを使うの?

一般的には、矯正後すぐの1〜2年間は「リテーナーを毎日、寝ている時に装着」していただきます。

ただし、後戻りのリスクは一生ゼロにはなりません。そのため「できるだけ長く」「できれば半永久的に」使用するのが理想とされています。歯科医師の指示に従って、無理のない範囲で習慣化することが大切です。

5. リテーナーをサボるとどうなる?

「少しくらい外しても大丈夫だろう」と自己判断で使わなくなると、歯並びは気づかないうちに少しずつ動いてしまいます。特に矯正直後は1日つけ忘れるだけでも、わずかに隙間が開いたり、噛み合わせがずれてしまうことがあります。

一度後戻りしてしまうと、再び矯正治療が必要になるケースもあり、時間も費用も余計にかかってしまいます。これまで頑張ってきた治療を無駄にしないためにも、リテーナーは“最後の仕上げ”として欠かせない存在なのです。

6. リテーナーを快適に使うための工夫

  • 毎日の歯磨きと一緒にリテーナーも清掃する
  • 専用洗浄剤や超音波洗浄器を活用して清潔に保つ
  • 持ち運び用ケースを必ず利用する(ティッシュに包むと紛失の原因に)
  • 装着を習慣化するために「寝る前に必ずはめる」などルーティンを作る

こうした小さな工夫で、リテーナーを無理なく続けることができます。

 

矯正治療で得られた美しい歯並びは、リテーナーをしっかり使うことで初めて長く守ることができます。治療は「装置を外したら終わり」ではなく、「きれいな歯並びを一生キープする」ことが本当のゴールです!

リテーナーを継続して使用することは、努力して手に入れた笑顔を将来にわたって守るための最も大切なステップです。ぜひ毎日の習慣に取り入れて、矯正後の生活を楽しみましょう!