インビザラインの顎間ゴムってなぜ大切?つけないとどうなるの?
インビザライン矯正において、成功の鍵の一つである顎間ゴム。なぜ必要なのか、装着時間が足りないとどうなるのか詳しくお伝えしていきます♪
- こんにちは!
福岡県飯塚市にあるハート歯科クリニックいまい(予防歯科 矯正歯科 小児矯正 インプラント ホワイトニング 審美歯科)の歯科医師の重信圭佑です。今回はインビザライン矯正における顎間ゴムの大切さをお伝えしていきます♪
1. 顎間ゴムとは
インビザラインは、透明なマウスピース型の矯正装置(アライナー)を使い、少しずつ歯を動かして歯並びとかみ合わせを整える治療法です。この治療の中で「顎間ゴム(エラスティック)」は、上下の歯や顎の位置関係を改善し、かみ合わせを正確に仕上げるために使われる重要な補助装置です。
顎間ゴムは、上下のアライナーに付いた切れ込みやアタッチメントに引っ掛けて使用します。ゴムの伸縮する力を利用して、上下の歯や顎を引き寄せたり、前後に動かしたりすることで、歯並びだけではなく噛み合わせ全体のバランスを整えることができます。
2. 顎間ゴムの役割
顎間ゴムの主な役割は以下の3つです。
- 上下のかみ合わせのズレを直す
歯並びがきれいでも、上下の歯の噛み合わせがずれていると、食事がしにくくなったり、顎関節に負担がかかったりします。顎間ゴムは、上下の歯がしっかり噛み合うように微調整します。 - 前後の位置関係を改善する
出っ歯(上顎前突)や受け口(下顎前突)など、上下の顎の前後的な位置のずれを改善します。アライナーだけでは動かしにくい前後方向の移動を、顎間ゴムが補います。 - 治療の仕上がりをよりきれいにする
インビザライン単独では難しい細かな位置の調整を行い、見た目も機能も理想的な仕上がりに近づけます。
3. 顎間ゴムをしないとどうなるのか
顎間ゴムは「指示された時間」しっかり使うことが大切です。多くの場合は1日20時間前後が目安となります。これを怠ると、次のような問題が起こる可能性があります。
- かみ合わせがずれる
歯並びはきれいになっても上下の歯が正しく噛み合わず、食べづらさや顎の疲れ、将来的な顎関節症のリスクが残ります。 - 治療期間が延びる
予定通りに歯や顎が動かないため、アライナーの追加や治療計画の修正が必要になります。数か月以上延びることも珍しくありません。 - 再治療になる可能性
かみ合わせや見た目に不満が残る場合、再度アライナーを作り直す「再セットアップ」が必要になり、時間的・経済的な負担が増えます。 - 仕上がりが中途半端になる
横顔のバランスや口元の印象に影響し、見た目も噛み心地も理想から遠ざかります。
4. なぜ顎間ゴムは重要なのか
インビザライン治療は「歯を動かす」ことと「正しい位置に安定させる」ことの両方が必要です。アライナーは歯の並びを整えるのに優れていますが、上下の顎の位置やかみ合わせのズレを前後方向に動かす力は限られています。顎間ゴムは、その不足を補い、最終的な治療ゴールに導く役割を果たします。
つまり顎間ゴムは、
- 治療の完成度を高めるための最後の仕上げ
- 予定通りの期間で治療を終わらせるためのサポート
- 見た目と機能の両方を整えるための必須アイテム
といえます。
5. 装着を続けるコツ
顎間ゴムは小さいですが、毎日つけ外しするのは慣れるまで面倒に感じることもあります。装着のコツとしては、
- 朝起きたら歯磨きをしてすぐ装着し、日中も食事と歯磨き以外は外さない
- ゴムは小袋ごと持ち歩き、切れたらすぐ交換
- 最初は違和感があっても数日で慣れるため、初期段階で外す時間を減らさない
といった習慣づけが有効です。
特に、かみ合わせは見た目以上に大切です。正しく噛めることで食事がしやすくなり、将来の歯やあごの健康も守れます。
「毎日ゴムをつけるのはちょっと面倒…」と思う方もいるかもしれません。でも、これは治療を早く終わらせて、きれいな歯並びと正しいかみ合わせを手に入れるための一番の近道です。もし装着時間が短くなると、その分だけゴールが遠のいてしまいます。
顎間ゴムをしっかりつけることは、未来の自分へのプレゼントだと思ってください。今コツコツ頑張ることで、治療が予定通り進み、見た目も噛み心地も満足できる結果につながります。
インビザラインは、歯科医院の治療だけでなく、患者さんご自身の協力があってこそ成功する治療です。顎間ゴムはその中でもとても大事な役割を担っています。毎日少しの努力で、あなたの笑顔はもっと素敵になります。