治療しても歯が失われるのはなぜ?
「せっかく治療したのに、どうして歯を失ってしまうの?」
そう思ったことがある人も多いかもしれません。
今回は治療しても歯が失われる原因や予防方法をご紹介します。
こんにちは!福岡県飯塚市鯰田にあるハート歯科クリニックいまい(予防歯科・矯正歯科・審美歯科・小児歯科・口腔外科・インプラント・マイオブレス小児矯正・ホワイトニング・インビザライン矯正)の歯科医師、重信 圭佑です。
実は、歯の治療というのは、悪くなったところを「元通りに治す」わけではなく、「これ以上悪くならないようにする」ためのものなんです!
□歯を失う主な原因
・むし歯の重症化

むし歯は、進行すると歯の表面だけでなく歯の内部(歯髄)まで細菌が侵入し、深刻なダメージを与えます。初期のむし歯は詰め物や被せ物で治療できますが、歯の根まで感染が広がると根管治療が必要です。
しかし、根管治療でも感染を完全に除去できない場合や、治療後に再び細菌が入り込むと、炎症が広がり最終的に抜歯が必要になることがあります。
・歯周病の進行

歯周病は、歯を支える骨(歯槽骨)が少しずつ溶かされてしまう病気です。治療によって炎症を抑えることはできても、失った骨を自然に元通りにするのは困難です。そのため、治療後も継続的なケアがなければ、病気が再発し、最終的には歯を失うことに繋がります。
・歯の破折(ヒビや割れ)

歯にヒビが入ったり割れたりすると、元に戻すことが難しい場合があります。小さな亀裂であれば補修できますが、歯の根まで達する深いヒビや割れは治療が難しく、抜歯が必要になることが多いです。
歯が破折する原因には、強い力を受ける事故や転倒のほか、噛み合わせの不具合や歯ぎしりなども関係しています。
□抜歯を防ぐためにできること
歯を失わないためには早期発見と適切なケアがとても大切です。
・定期的な歯科検診を受ける

むし歯や歯周病は初期段階では症状が出にくいため、気づいたときには進行していることが少なくありません。1ヶ月~3ヶ月に1回の定期検診を受けることで、早期発見・早期治療が可能になります。検診ではプロによる歯のクリーニングも受けられるため、口腔内を清潔に保つ効果もあります。
◎病気の再発を防ぐためにメンテナンスで行うこと
①虫歯や歯周病などのチェック
自分では気づかない問題を早期に発見しま す。噛み合わせなども診査します。
②歯垢や歯石の除去(クリーニング)
一般的に、歯磨きをしても20~50%は磨き残 しがあります。歯垢や歯石を専門機器でしっ かり除去します。
③フッ素の塗布
虫歯予防に効果的なのがフッ素の塗布です。
歯科専用の高濃度フッ素を使用します。
・正しい歯磨き習慣を身につける

日々の歯磨きは、歯を守る基本中の基本です。ただし、自己流の磨き方では汚れが十分に落とせない場合があります。まずは歯科医院で正しい歯磨きの方法を教えてもらいましょう。また、歯間ブラシやデンタルフロスを併用することで、歯と歯の間の汚れも効果的に除去できます。
・生活習慣の改善

歯周病のリスクを高める生活習慣にも注意が必要です。喫煙は歯周病の進行を早めると言われており、偏った食生活によってもたらされる糖分の多い食事は、むし歯の原因になります。また、ストレスによる免疫力の低下が口腔内環境に影響を及ぼすことも分かっています。バランスの取れた食生活と適度な運動を取り入れることで、健康な歯を維持しやすくなります。
適切な予防と早期治療を心がければ、歯を失うリスクを大幅に減らすことが可能です。定期的な歯科検診や正しいセルフケアを続け、大切な歯を守りましょう🌟