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歯の豆知識

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酸蝕症について


  • 予防歯科

今回はう蝕(虫歯)と酸蝕症についてご紹介します!

こんにちは。飯塚市鯰田ハート歯科クリニックいまい(一般歯科、小児歯科、矯正、審美歯科、小児矯正、ホワイトニング)の歯科医師の今井光です。

酸蝕症とは、歯に胃酸や酸性の飲食物が「繰り返し触れる」ことで起きる病気です。虫歯や歯周病に続く歯科疾患として知られています。
歯はもともと、酸に弱いのです。酸に触れると化学反応を起こして溶けてしまいます。とはいっても、食べ物のほとんどは酸性です。味噌も醤油も穏やかな酸性なのです。なのに歯が溶けてなくなってしまわないのは、唾液が酸を洗い出してくれて、歯を守ってくれているからです。ただし、唾液の能力にも限界があります。強い酸が口の中に繰り返し入ってくると、唾液の作用が追いつかず、歯が溶けてしまうのです。
虫歯は、虫歯菌の出す酸によって歯が溶けて穴があく病気ですが、酸蝕症との決定的な違いは「被害の範囲」です。虫歯は、みがき残したプラーク(歯垢)のなかにすむ虫歯菌が、砂糖を食べ酸を出すことによって起きます。そのため、起きる場所は部分的なのです。一方、酸蝕症は、酸が触れた歯面すべてに起きます。つまり被害が広範囲になりやすいのです。
また、歯の一番硬い歯質であるエナメル質が溶けて薄くなったところに虫歯ができると進行が加速し、酸で柔らかくなった歯は摩耗・咬耗も病的に進行しやすく、トラブルが重なり、拡大しやすくなるのも酸蝕症の特徴です。
酸蝕症は、現代の食生活や生活習慣と関わりの深い病気です。酸蝕症になりやすい要因をこの機会に知って、歯を溶かす習慣を止め、大切な歯を守りましょう。
現在、酸蝕症の原因として注目されているのが、「胃酸の口への逆流」です。専門家の医師によると、現代人の約10人に1人に逆流性食道炎の疑いがあり、罹患率は増加中なのだそうです。
胃酸の逆流を招く代表的な因子は、炭酸飲料や酸っぱいものの食べ過ぎ飲み過ぎです。このほかにも、摂食障害(拒食症や過食症など)による、持続性の嘔吐と酸蝕症の深い関わりも報告されています。
歯を取り巻く酸の環境はここ数十年で様変わりしました。季節物だった柑橘類が一年中手に入るようになり、食卓では主菜にレモンやポン酢をかけ、デザートにオレンジやグレープフルーツが並びます。一方おやつは、コーラや柑橘ジュースがどこでも手に入ります。グミや梅のお菓子などもとても酸っぱく歯が、強い酸と出会う機会はかなり多いのです。酸性飲食物の過剰摂取には気をつけ、酸の摂取は唾液が守ってくれる程度に抑えないといけないことを理解しましょう。ご自身の栄養の取り方に自信のない方は是非ハート歯科のスタッフまでお尋ねくださいね!