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歯の豆知識

前歯にある白い斑点、これは何?


  • おこさま向け


前歯に白い斑点ができてしまった、これって何?
治るの??どんな理由でできるの?
調べても沢山出てきて、結局何が理由かわからない、
そんな方へ前歯に白い斑点ができる理由について
いくつかご説明します。

 

 

福岡県筑豊地区飯塚市にあるハート歯科クリニックいまい『予防歯科・審美歯科・小児歯科・矯正歯科(マイオブレースシステム矯正,インビザラインシステム矯正)・インプラント・ホワイトニング』の歯科医師の今井光です。

気がついたら前歯に白い斑点模様ができていた!
もしくは永久歯に生え変わった時からずっと白い斑点がある、これって何??

ネットで調べても沢山の原因について書かれているので戸惑ってしまうかもしれません。。

そこで!今日は詳しく原因をお話ししていきます!

①エナメル質の発達不良

歯の表面には「エナメル質」という非常に硬い層があり、このエナメル質が歯を守る役割を果たしています。

エナメル質は、歯が生え始める過程で形成されるため、発育段階で何らかの問題があると、エナメル質が完全に形成されずに、歯の表面に白い斑点が現れることがあります。このような問題が生じる原因としては、遺伝的要因や栄養の不足、病気や体調不良などがあります。特に乳歯が生えたばかりの子供に見られることが多いです。

このエナメル質の発達不良が原因で白い斑点ができる場合、早期に適切なケアを行うことで、進行を防ぎ、歯の健康を守ることができます。しかし、エナメル質が完全に形成されないと、歯がもろくなったり、虫歯になりやすくなることもあります。適切な栄養の摂取や、歯科医師による定期的なチェックが予防に繋がります。

②フッ素症(フッ素の過剰摂取)

フッ素は、歯を強くし、虫歯を予防するために広く使用されている成分ですが、過剰に摂取すると問題を引き起こすことがあります。特に小さな子供がフッ素入りの歯磨き粉を飲み込んだり、フッ素濃度が高い水を長期間摂取することによって、歯のエナメル質に異常が生じ、白い斑点が現れることがあります。これが「フッ素症」と呼ばれる状態です。

フッ素症が進行すると、歯の表面に白い斑点が現れ、さらにひどくなるとエナメル質が脆くなり、歯が欠けたり虫歯になりやすくなることもあります。予防のためには、子供にフッ素入りの歯磨き粉を使う際には使用量を守り、飲み込まないように教育することが重要です。また、フッ素濃度が高い水を使用している地域では、フッ素の摂取量に注意を払うことが大切です。

③初期の虫歯

虫歯は歯に付着した細菌が糖分を分解する際に酸を発生させ、その酸が歯のエナメル質を溶かしてしまう現象です。初期の虫歯では、歯の表面に白い斑点が現れることがあります。この白い斑点は「脱灰(だっかい)」と呼ばれ、エナメル質が酸によって溶け始めていることを示しています。初期段階の虫歯は、痛みを伴わないことが多く、自分では気づきにくいことがあります。

しかし、初期の虫歯で白い斑点が現れた場合、適切な治療を行うことでエナメル質の再石灰化を促し、虫歯の進行を防ぐことが可能です。歯科医師によってフッ素塗布や適切な歯のケアが指導されることがありますので、白い斑点を発見したら早期に歯科医院でチェックを受けることが重要です。

④外的要因による着色

コーヒー、紅茶、タバコ、ワインなどは、歯に色素を沈着させる原因となります。通常、こうした色素が歯に付着すると、茶色や黄色の斑点が現れることが多いですが、エナメル質に傷がついている場合などには、白い斑点が現れることもあります。これらは通常、着色汚れによるものですが、歯の表面が傷ついていると、色素が入り込みやすくなります。

こうした着色汚れを防ぐためには、日々の歯磨きが大切です。また、定期的に歯科でクリーニングを受けることで、色素が歯に沈着するのを防ぐことができます。ホワイトニングを行うことで、歯の美白も可能ですので、気になる方は歯科で相談すると良いでしょう。

⑤遺伝的要因

白い斑点ができる原因の中には、遺伝的な要因も関わっていることがあります。例えば、親がエナメル質の発達に問題を抱えていた場合、その遺伝的影響で子供にも同じような問題が現れることがあります。また、遺伝によって歯の構造が弱い場合もあり、歯に白い斑点が現れやすくなります。

遺伝的要因は完全に防ぐことが難しいことがありますが、早期に問題を発見し、定期的に歯科検診を受けることで、進行を防ぐことができます。歯のケアをしっかりと行うことが、歯を健康に保つためには欠かせません。

⑥薬剤の影響

一部の薬剤、特に抗生物質の「テトラサイクリン系薬剤」は、歯の発育に影響を与え、歯に白い斑点を残すことがあります。これらの薬剤が歯のエナメル質に作用し、歯が形成される過程で白い斑点が現れることがあります。テトラサイクリン系の薬は、特に乳歯が発育している時期に影響を与えやすいとされています。

薬剤が原因で歯に白い斑点ができた場合、その影響を完全に取り除くことは難しいこともありますが、歯科での治療やホワイトニングが効果を発揮することもあります。薬剤を使用している場合は、歯科医師に相談し、予防策や治療法を相談することが重要です。

前歯に白い斑点ができた場合、まずはその原因を特定することが大切です。虫歯の初期段階であれば、早期に治療を行うことで歯を守ることができます。

フッ素症やエナメル質の発達不良が原因であれば、歯科医師によるアドバイスや適切な処置を受けることが重要です。また、日常的な歯のケアも非常に重要です。定期的な歯磨きや歯科検診を行うことで、白い斑点の予防や改善に繋がります。

歯の斑点模様が気になる、そんな方はぜひ一度ハート歯科へご相談ください☆