歯ぎしりと歯の影響について
「歯ぎしり=悪癖」というイメージがある方は多いと思います。
本当に歯ぎしりは悪いものなのでしょうか。
「悪い」とするなら、歯ぎしりによって私たちの体に、どのようなダメージが及ぶのかお話していきます。
こんにちは!福岡県飯塚市鯰田にあるハート歯科クリニックいまい(予防歯科・矯正歯科・審美歯科・小児歯科・口腔外科・インプラント・マイオブレス小児矯正・ホワイトニング・インビザライン矯正)の歯科医師、福間裕仁です。
「歯ぎしり」には3つの種類があります。
①ギリギリと上下の歯を擦り合わせる「グライディング」
②ただ歯を強く噛み締める「クレンチング」
③カチカチと上下の歯を連続的に噛み合わせる「タッピング」
グライディングやタッピングは就寝中に音がするので、周りの人が気づきます。本人にも指摘するでしょうから、歯ぎしりの自覚がしやすいです。しかし、クレンチングは音がしないため、周りの人も本人も気づきにくいのです。そのため、一説によると、9割の人が歯ぎしりをしていると言われています。
悪い歯ぎしりをしてしまう原因には「悪い噛み合わせ」にあります。悪い噛み合わせは歯ぎしりによって歯を壊してしまうのです。
歯を噛み合せる時、私たちが想像しているよりも、はるかに大きな力が加わっています。これを「咬合力」といいます。物を噛む時の咬合力は、数キロから30キロほどもあります。一方、睡眠中の歯ぎしり、つまりクレンチングをしている時の咬合力は、なんと50〜100キロを超えるとも言われています。無意識下で行われ、力のコントロールができないためです。
★歯ぎしりによりって起こる被害
①詰め物が外れやすい、被せ物が割れる
寝ている時の歯ぎしりによって、あまりにも力がかかると、詰め物と歯の間に隙間ができてしまいます。その隙間に食べ物のカスが入り込み、やがて細菌の溜まり場になってしまいます。あるいは歯が弱ければ、歯にヒビが入ってそこから虫歯になったり、歯そのものがすり減ったりします。
②「外骨症(骨隆起)」
歯ぎしりによって過度な力がかかり続けると、それを受けた口の中の骨が変形し、上あごや下あごの骨が出っ張ってきます。
③顎関節症
歯も顎の骨も強ければ、歯ぎしりによって首や肩の筋肉に負担がかかって、肩こりや首こりに悩まされたり、顎関節にしわ寄せができて顎関節症になったりします。顎関節症になると、口が開きづらくなったり、口を開ける時に顎関節の痛みがあったり、「カクッ」となったりすることもあります。
★歯ぎしりから歯を守る方法
①歯ぎしり自体を減らす
「歯ぎしりをしない」というイメージトレーニングや自己暗示法を試みることや、認知行動療法などでストレスへの対処法を学んだりします。
②週間や癖を直す
睡眠の質を上げる、生活習慣を見直すなどのほか、起きている間も噛み締める癖を改めます。
③歯ぎしりの力のかかり方を調節する
保険治療で行える治療は、マウスピースやナイトガードを作ることです。歯に装置して寝ることで歯と歯の間のクッションとなり、歯ぎしりの力を分散して歯や歯茎への負担わ減らします。
自費治療で行える治療には、ボトックス治療があります。
ボトックス治療は、ボツリヌス菌が作り出す天然のたんぱく質(ボツリヌス毒素)を有効成分とする薬(ボトックス®)を筋肉内に注射する治療法です。
ボトックスには、筋肉をつっ張らせている神経の働きを抑える作用があり、このボトックスを注射すると、筋肉のつっ張りをやわらげることができます。
ハート歯科ではナイトガード作製やボトックス治療も行っておりますので歯ぎしりや噛み合わせについて気になる方は何でもご相談ください★