歯の一部が白いのは虫歯ですか?
歯の表面の一部分に白いものはむし歯ですか?という声を多く耳にします。今回はその声についてお答えしていきます。
こんにちは!福岡県飯塚市鯰田にあるハート歯科クリニックいまい(予防歯科・矯正歯科・審美歯科・小児歯科・口腔外科・インプラント・マイオブレス小児矯正・ホワイトニング・インビザライン矯正)の歯科医師、仲宗根美由紀です。
私たちはよく患者さまから「この歯の表面に一部分的に白くなっているのはむし歯ですか??」という声を数多く耳にします。結論から言うと、「削らなくていいむし歯」と「削らないといけないむし歯」が実はあります。今回はその見極めや疑問などにお答えしていきます。
まず、歯の表面に一部分的に白くなっているのは
「ホワイトスポット」といいます。
このホワイトスポットとは、歯の表面に、白い点々とした模様が付いてくる状態のことを言います。 このホワイトスポットですが、歯の表面のエナメル質が酸性になることにより、エナメル質のカルシウム成分が少なくなり、脱灰(だっかい)というむし歯の初期症状を起こして、写真にあるように白濁してしまいます。

エナメル質形成不全(エナメル質の構造が正常に作れなかった)部分 ・何らかの原因(先行乳歯の虫歯や怪我、病気や栄養障害)により、エナメル質の構造が一部きちんと出来ずに、光の透過の変化により白く見える。程度によって茶色くなったり、エナメル質が一部欠損することもあります。
齲蝕などによる脱灰と再石灰化 ・軽度の虫歯、穴が開く前の段階では菌の出す酸によって、エナメル質のリンやカルシウムが抜け出し(脱灰)、構造が粗になります。その部分は光の透過が通常部分とは異なり、そこだけ白く見えます。 また、生体には再石灰化という脱灰された部分を治す働きがありますが、脱灰された部分を修復していくときに色素が取り込まれてしまうと、茶色いシミのようになります。
歯のフッ素症
・歯を丈夫にするフッ素ですが、歯の形成期(永久歯だと生後6ヶ月~5歳までの間)に長期間高濃度のフッ素を過剰に摂取する(飲み込む)とおこります。 すでに生えている歯には過剰摂取したとしても歯に模様が出ることはありません。 また歯の形成期に歯磨き粉などのフッ素が入っているものを使用したとしても、毎日大量に飲み込むなどしなければ問題ありませんのでご安心ください。 フッ素症の軽度のものであれば白いチョークの様な状態になりますが、重度になると茶色い斑点が出たり、一部欠損してくることもあります。
歯の表面が一部分的に白くなっているホワイトスポットは基本的には削らず経過をみていきます。
ですが、歯に穴があいていたり、黒くなったりしている部分は削って治療する必要があります。