銀歯の下がむし歯になるのはなぜ?
治療をした歯なのに、銀歯の下にむし歯ができてしまった・・。そんな経験はありませんか?銀歯の特徴についてお話しします。
福岡県飯塚市にあるハート歯科クリニックいまい(予防歯科 小児歯科 矯正歯科 ホワイトニング インプラント 審美歯科 インビザライン MRC矯正)歯科医師の仲宗根美由紀です。
むし歯の治療をして、保険の金属の詰め物や被せ物(いわゆる銀歯)を入れたことのある方も多いかと思います。
しかし、しばらく年月が経って
「銀歯の下にむし歯ができてしまった」
という事が起こることもあります。
保険の銀歯は、金属なので丈夫ではありますが、セラミックと比べると2次的なむし歯になりやすいのも特徴なのです。理由は、歯科用金属の性質にあります。
【銀歯の下にむし歯が再発する原因】
(保険の歯科用金属の性質)
1.歯との適合性に限界がある
セラミックと比べて、銀歯は歯との適合性が低くなります。
銀歯を作る過程で、金属を1000℃以上に溶かして型に流し入れ、冷やして固めます。
高温→固まるまでの過程で、金属はどうしても少し収縮します。これを専門的には鋳造収縮と呼びます。(ある種の変形)
そのため、歯との間にわずかに隙間が生じてしまいます。この隙間から細菌が侵入し、むし歯を再発させてしまうことがあるのです。
2.経年的に歪みが生じる
歯科用の金属は、強い材料ではあるのですが、「咬む力」や「熱による刺激」によって、少しずつ歪みが生じます。
すると、歯との間に、目には見えない隙間ができてしまい、そこからむし歯の原因菌が侵入してしまうのです。
とくに咬む力の強い、奥歯の銀歯はリスクが高いと考えられます。
3.セメント(接着剤)の劣化
むし歯治療を行い、銀歯(詰め物、被せ物)を歯に着けるときには、歯科用セメントという接着剤を使います。
このセメントも、時間が経つにつれて、どうしても古くなり劣化していきます。
歯と銀歯との間に存在するセメント(接着剤)が古くなると、やはり隙間ができてしまい、むし歯の再発を招くことがあります。
【むし歯になりにくい材料は?】
セラミック(歯科用陶材)は、経年的な変化が少なく、むし歯の再発リスクが低い材料です。また色も白く、変色しないため審美的にも優れています。
ただ、保険適応外となる点や、かみ合わせによってはお勧めできないこともあるため、歯科医師とよく相談しましょう。
【早期発見には定期検診が1番】
銀歯は、患者さまご自身でむし歯を発見するのは難しいかもしれません。痛みといった自覚症状がなくても、2次的なむし歯が見つかることもあります。
定期的に、メンテナンスと歯科医師によるチェックを受けましょう。