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歯の豆知識

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口を開けると、カクカク音が鳴ります。これは何ですか?


  • おとな向け

大きく口を開けた時、あくびをした時に「カクカク」と音がする、食べ物を砕く度にこめかみや、耳の周辺が痛むことはありませんか?
そのような症状がある場合は「顎関節症」かもしれません。近年は特に20代~30代の女性に多くみられる症状でもあります。

福岡県筑豊地区飯塚市にあるハート歯科クリニックいまい『予防歯科・審美歯科・小児歯科・矯正歯科(マイオブレースシステム矯正,インビザラインシステム矯正)・インプラント・ホワイトニング』の歯科医師の仲宗根美由紀です。

顎関節症(がくかんせつしょう)とは、、

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(あご)は微妙に入り組んだ形と複雑な機能をもっています。ここには筋肉と関節と神経が集中し、下の顎をささえています。食べ物を食べる時、言葉を発する時に顎と関節は連動して動いています。この連動した動きをおこなう時に、顎や関節、周辺組織になんらかの原因があり痛みが生じる、口を動かしにくくなる場合、顎関節症となります。

最近、あごの関節の不快感を訴える方が増えてきました。あごが思い通りに動かず、食べ物が噛みにくい。あごを動かすと不快な音がする。痛みを感じて口が開かない。さらに症状は顎ばかりでなく、肩こりとか、腕や指のしびれ、偏頭痛、耳や鼻にも不快感を覚えることもあります。

このように症状は広範囲にわたり、人によっては軽い症状から重い症状まで、個人差が大きいのが特徴です。

顎関節症の多くは適切な対処で、日常生活に支障をきたすことがない状態にもあるのです。

 

主な症状

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・顎関節や周辺に異変を感じる。

・食べ物噛み砕く時に痛みや異変を感じる。

・食事をしていると顎がだるい、顎に痛みがある。

・口を開けたり、閉じたりする時に「カクカク」、「コッキン」と音がする。

・口がスムーズに開けづらくなる。

以上の症状のうち少なくとも一つ以上があるとき顎関節症にかかっている可能性が疑われます。

症状は、悪くなったり良くなったりをくりかえします。再発もしますがあまり心配しなくてよいことの方が多いようです。

また生活習慣の改善で病状は軽減されます。

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顎関節症の副症状

・頭痛、首や肩や背中のコリや痛み、腰痛、肩こりなどの全身におよぶ痛み

・めまい、頭痛、耳鳴り、耳がつまった感じ、難聴

・目の疲れ、充血、涙が出る

・鼻の症状(鼻がつまった感じがする)

・顎が安定しなく、鼻の症状(鼻がつまった感じがする)

・歯や舌の痛み、味覚障害、鼻の症状(鼻がつまった感じがする)

・嚥下困難、呼吸困難、手や足のしびれ等が起こる場合もあります。

顎関節症の原因

いろいろな原因が考えられます。

いろいろな原因が考えられますが、上下の歯の噛み合わせの異常による場合が多いようです。

また精神的緊張やストレスがあごの周りの筋肉を緊張させ噛み合わせがアンバラスになり、無理な力が関節にかかり顎関節に負担をかけることもあります。

歯ぎしりも顎の関節に大きな負担をかけます。さらに全身的問題、例えば生まれつき関節に問題のある人や、関節に外傷を受けたことがあるかどうかなどが原因となることもあります。

顎関節症の誘因としては原因が1つだけではなく、複数の原因が微妙にからみあっていろいろな症状がでることが多いようです。

・急激なストレス、不安、緊張(精神的な緊張は、筋肉を緊張させます)

・歯ぎしり

・何かに熱中したり緊張して歯を強くくいしばる(一日中スポーツをした。冷房が寒くて歯をくいしばったりもする)

・唇や頬の内側を歯で噛む癖がある

・頬杖、うつ伏せ寝、猫背

・顔面・頭部、事故による外傷

・入れ歯、補綴物が体に合わない(噛み合わせが悪い)

・よく大きな口を開ける、硬いものを食べる

・片側の歯だけで噛む。どちらか一方でばかり噛む癖がある、片側の歯が悪いため反対の歯だけで食べ物を噛む

・うつ、不安因子がある 、睡眠障害(ストレスで夜よく眠れない)

顎関節症の治療

歯科医院での治療法のとしては、顎関節症の原因となる咬み合わせのずれを改善することを目的に治療をおこないます。スプリントと呼ばれる透明なマウスピースを歯列に装着して、夜間睡眠時に使用します。睡眠時には、無意識に噛みこんでしまう場合も多く顎関節や、周辺筋肉の負担を軽減させ、顎、顎関節を正しい位置に導き咬み合わせをもとに戻していきます。

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顎関節症の原因はいくつかあり、その中でも多い原因であるのは、下顎と頭蓋骨の接続部分にある関節円板と言われる下顎の動きを受けるクッションの役目を果たす部分のずれによって、口の開け閉めがスムーズにおこなうことが困難となります。その他の原因として考えられるのは、ストレスや精神的緊張が顎周辺の筋肉を緊張することにより咬み合わせが崩れてしまう場合や、歯ぎしりをする癖がある人は顎関節症になりやすいとされています。

また、関節になんらかの障害がある場合や、関節に外傷がある場合なども顎関節症の原因になると考えられ、顎関節症と考えられる原因は1つとは限らず、いくつかの条件が合わさって症状が現れる場合もあります。

顎関節症の自分でできる管理方法

顎関節や筋に痛みがあるときはまず安静にしましょう。そして症状を悪化させないために大口を開けることや顎の使いすぎに気をつけましょう。

症状があるときは次の点に気をつけて生活習慣の改善をしましょう。

  1. おかゆ、やわらかいそば、うどん、パスタなど噛まなくてよい食事をとりましょう。硬いものは避けましょう。(ガム、フランスパンの皮、硬い肉など)
  2. マッサージで顔の筋肉をやわらげ、目を閉じ、軽く上下の唇を触れさせ、歯を接触させないようにしましょう。また、全身運動で(ウォーキング・水泳など)
  3. 顎の運動(口を開けたり閉めたり左右に動かしたりする)
  4. 顎を安静にし、大きなあくびや長時間の歯科治療は避けましょう。
  5. 仰臥寝(あおむけね)と低い枕を使用しましょう。うつぶせ寝はしてはいけません。
  6. 同じ姿勢を長く続ける事を避け、時々はストレッチをして心身を休めましょう。また猫背や顎を突き出すような姿勢をとらないようにリラックスする。

以上の点に気をつけて生活習慣の改善しましょう。

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