インプラントはどれくらいもつの?
インプラントのお話をさせていただく時、患者さんから「インプラントはどれくらいもつの?」とよく質問を受けます。
高額な治療ですのでもちろん心配ですよね。
今日は、そのインプラントの寿命についてお話をさせていただきます。
福岡県飯塚市にあるハート歯科クリニックいまい(予防歯科・審美歯科・小児歯科・矯正歯科・インプラント・ホワイトニング)の今井光です。
|最近は、抜けてしまった歯の代わりに、インプラントをされる方がとても多くなりました。
ブリッジや入れ歯に比べると、インプラントの寿命は長いと言われていますが、
実際にはどのぐらいの寿命があるのでしょうか。
そのインプラントですが、ヨーロッパでは、
紀元3世紀頃のローマ時代の上顎骨に鉄製のインプラントが埋まっている人骨が発見されていて、
また、紀元7世紀頃には中南米では下顎骨に貝で作られたインプラントが埋まっているの人骨が発見されています。このように、インプラントの歴史はとても古いのですが、
確実な治療法になったのは最近です。
今から50年以上前の1965年にスクリュー形状(ネジのような形状)の
チタン製のインプラントの臨床応用が開始され、骨と結合するインプラントが登場しました。
骨と結合するインプラントの臨床結果が優れていることが知られるようになったのは、
1980年代になってからです。
| インプラントの寿命は? |
インプラントの、10~15 年の累積生存率は上顎で約 90%程度、下顎で 94%程度、
抜歯即時埋入や骨移植を伴うケースでは、87~92%程度であるという調査結果があります
(埋入部位や埋入条件によって異なります。また、前述は部分欠損症例・全部欠損症例の生存率です)。
つまり、9割の方がインプラント治療をしてから10~15年でも、
インプラントがきちんと機能し使えているということです。
(インプラント以外の寿命は、ブリッジは約7〜8年、入れ歯は約4〜5年程度と言われています)
もちろん、歯科医師の技術や治療環境、メンテナンスによる違いもあると言えますが、
高い残存率が認められていることは確かです。
また、今後はさらに20年を超える予後の報告も増えてくること思われます。
| インプラントを長く使用していただくためには? |
メンテナンスをしっかり行いましょう!
メンテナンスの基本は、お家での毎日のブラッシングです。
磨き残しを減らすことが大事で、
歯ブラシ以外にも歯間ブラシや糸ようじなどのグッズを併用しましょう。
そして、歯科医院での定期的なメンテナンスを忘れてはいけません。
頑張ってブラッシングをしていても、どうしても磨き残しは出てしまいます。
歯周病の検査、
歯石の除去、
ブラッシング指導、
クリーニング、
噛みあわせの確認、
虫歯や歯周病は発生していないか等のプロのチェックが必要です。
健康管理が大事!
糖尿病や骨粗しょう症などの既往歴がある方や、喫煙習慣のある方は、
全身の免疫力が低下してインプラント治療後の歯周炎の発生・悪化の原因に繋がりやすくなります。
喫煙は、ニコチンや一酸化炭素によって免疫機能が低下すると、
細菌感染が起こりやすいため、インプラント周囲炎や歯周病のリスクが非喫煙者と比較すると
数倍高まることが指摘されています。
そのため、インプラント手術の前後の期間だけでなく、長期的な禁煙に取り組むよう、
お話をさせていただいています。
インプラントは「半永久」などと言われていますが、
適切なメンテナンスを行わなければ長く使うことができません。
インプラントは虫歯になりませんが、歯周病と似た病気になります。
インプラント治療後は、ケアをしっかり行うことで、さらにインプラントの寿命を長くすることができるのです。