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歯の豆知識

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歯並びはどうしてわるくなる?


  • 小児歯科

「歯ならびの善し悪しは、結局のところ遺伝で決まる」、そう思いこんでいる人は意外と多いのではないでしょうか。
今回は、歯並びが悪くなる原因や身体への影響について説明していきます。

こんにちは!福岡県飯塚市鯰田にあるハート歯科クリニックいまい(予防歯科・矯正歯科・審美歯科・小児歯科・口腔外科・インプラント・マイオブレス小児矯正・ホワイトニング・インビザライン矯正)の歯科医師、福間裕仁です。

歯並びが悪くなる原因として、「口がそのはたらき(機能・役割)を正しく果たせているか」「口に関係している悪い癖がないか」という考え方が挙げられます。

歯並びは、顔の骨格などの遺伝上の特徴や乳歯の抜けるタイミングなど、さまざまなところから影響を受けています。

こどもの不正咬合に最も大きく影響するのは、口の働きに関する何らかの異常や、口にまつわるよくない癖によって歯並びが変化します。

不正咬合に繋がる「口のはたらきの異常」や「口にまつわる悪い癖」には、さまざまな種類があります。

◎‍ 食べるときのかみ方、飲み込み方に問題がある

食べ物を口の中に収め、細かくかみ砕き、ごくんと飲みこむのは、口(唇や舌、頬)と顎、そして歯の大切な役割です。同時に、食べ物をかんだり、飲み物を飲んだりする動作は、歯並びに影響する口やあごの筋肉をきたえる”筋トレ”にもなっています。

しかし、左右のどちらか一方でものをかむ癖や、舌や下あごを前に突き出して食べ物を迎え入れる「迎え舌」など、間違った食べ方が習慣になっていると、毎日の食事だけで不正咬合の原因になってしまいます。

◎口呼吸をいつもしている

鼻ではなく口で呼吸することを「口呼吸」といいますが、この口呼吸と不正咬合には密接な関係があります。

運動時や風邪をひいたときなどに、一時的に口呼吸になるのはまったく問題ありません。

しかし、とくに理由もないのに、いつも口をぽかんとしていたり、うっすら開いていたりする場合、そうした慢性的な口呼吸がさまざまな不正咬合の原因となります。

◎舌の位置や使い方がおかしい

話すときに舌が口からよく見える、あるいは口からわずかに舌を出したり、上下の前歯の間に舌をはさんだりしていることがしょっちゅうある。

舌が口からとび出すことは、生後7ヵ月ごろまではふつうにあります。

しかし、それ以降の年齢でそうした姿を目にするのは、舌を置く場所や動かし方がおかしい証拠です。

このような舌の間違った位置や使い方も、不正咬合の原因になります。

舌や唇、ほおといった口のまわりの筋肉の使い方は、歯並びにとても大きな影響を及ぼします。

唇をよくかんだり、巻き込んだりする

上の前歯で下唇を強くかみしめたり、唇を「ンッ」と巻きこんだりするのも、歯や顎に対して余計な力をかけることになります。

気づかないうちに前歯が外側や内側に傾き、「上顎前突(出っ歯)」や「過蓋咬合(深がみ)」を引き起こします。

◎頬杖をつく、いつも同じ向きで寝るといった姿勢の癖がある

姿勢の癖は、顎に大きな負担をかけて、「交叉咬合(横ずれ)」や「下顎前突(受け口)」などを引き起こします。

◎指しゃぶりやおしゃぶりをやめられない

指しゃぶりは赤ちゃんの本能的な行動ですが、乳歯が生えそろってからも続けていると、上顎の発育を妨げたり、「開咬(ぼっかり前歯)」などの不正咬合の原因となったりします。

できれば、3歳遅くとも4歳までにはやめたい悪い癖です。

🦷悪い歯並びは予防できる!

歯ならびの善し悪しは、ほとんどの場合で、親からの「遺伝」ではなく、その子が生まれたあとの「環境」で決まることがわかります。

つまり、「親が子どもの口をどう育てるか」が、子どもの将来の歯並びを決めるカギになるのです。

そう聞くと、少なからずプレッシャーを感じる親御さんもいるでしょう。

しかし、歯並びが遺伝でないなら多くの場合、悪い歯並びは未然に防げるということになります。

また、お子さんの歯や顎はこれからどんどん成長し、大きく変わっていきます。

したがって、乳歯のうちに口のはたらきの異常や悪い癖を直してあげれば、狂いかけた歯並び・咬み合わせを正しい方向に軌道修正する余地は十分にあります。