CASE RECORDS

歯の豆知識

Instagram

歯医者で聞くSRPとは?


  • おとな向け

歯医者に行くと歯周病やSRPとよく聞くと思います。
その中でもSRPのする意味やどんなことをするのかを教えていきます。

こんにちは!福岡県飯塚市鯰田にあんるハート歯科クリニックいまい(予防歯科・矯正歯科・審美歯科・小児歯科・口腔外科・インプラント・マイオブレス小児矯正・ホワイトニング・インビザライン矯正)の歯科医師、吉田萌音です。

SRP(スケーリング・ルートプレーニング)は、歯科医療において歯周病の予防と治療に不可欠な手法です。歯周病は、歯肉炎や歯周炎を含む歯周組織の病変で、歯周ポケット内に蓄積したプラーク(バイオフィルム)や歯石が原因となります。SRPは、これらの沈着物を物理的に除去し、歯根面を滑らかにすることを目的としています。

 

まず、SRPの第一段階であるスケーリングは、超音波スケーラーや手動スケーラーを使用して、歯肉縁上および歯肉縁下に付着したプラークや歯石を除去します。これにより、歯周ポケットの深さを減少させ、炎症を抑制します。次に、ルートプレーニングでは、歯根面の平滑化を行います。これは、歯根表面に付着した細菌やその代謝産物を取り除き、再感染を防ぐために重要です。

SRPの実施によって、歯周組織の健康状態が改善され、歯周ポケットの深さが減少することで、歯の安定性が向上します。さらに、SRPは、歯周病の進行を抑え、最終的には歯の喪失を防ぐための基礎的な治療法でもあります。歯周病が進行すると、歯槽骨の吸収が生じ、治療が困難になるため、早期の介入が求められます。

また、SRPは単なる物理的な清掃に留まらず、患者の口腔内の細菌叢を改善し、全身の健康にも寄与する可能性があります。近年の研究では、歯周病と全身疾患(心疾患、糖尿病、早産など)の関連性が指摘されており、SRPによる歯周病の管理が全身の健康維持にも重要であることが示されています。

SRPは一般的に局所麻酔下で行われ、患者の快適さを考慮しています。治療後には、適切な口腔衛生指導が行われ、患者自身が口腔内を清潔に保つことが奨励されます。これにより、SRPの効果が持続し、再発を防ぐことが可能となります。

さらに、SRPは定期的なメンテナンスが重要であり、患者の口腔内の状況に応じて3ヶ月から6ヶ月ごとにフォローアップが推奨されます。定期的なSRPを行うことで、歯周病の再発リスクを低減し、長期的な歯の健康を維持することができます。

SRPのメリットとリスク

SRPの主なメリットは、歯周病の進行を防ぎ、口腔内環境を改善することです。また、治療後は口腔内の健康が向上し、全身の健康にも良い影響を及ぼすとされています。

一方で、SRPにはリスクも伴います。施術中に出血が生じたり、術後に痛みや腫れが生じることがあります。また、歯周病が進行している場合、SRPだけでは不十分なこともあるため、場合によっては外科的治療が必要になることもあります。

総じて、SRPは歯周病の管理において中心的な役割を果たす治療法であり、適切な実施と定期的なフォローアップが、患者の口腔の健康を維持するためには不可欠です。歯科医療においては、SRPを通じて歯周病の予防と治療を行うことが、患者のQOL(生活の質)向上に寄与する重要なアプローチです。